振り返り、改善する。そのために活用できるログをとる
仕事や学習のログは、思っているより散らばります。
RSSやブラウザで読んだ記事、歩きながらの独り言、その日の短いメモ、実際に触った原稿ファイル。どれも「その瞬間」は残っているのに、後で振り返ると「今週の自分」がぼやけます。振り返ろうとしても、材料が揃っていない、どこにあるかよくわからない、膨大で手がつかないために手が止まる、となってしまうのです。
せっかく AI が発達してきたので、これを何とかしよう!ということで、複数の情報ソースの入手方法・保管方法を構造化し、それらを週に一回自動的に参照し、AI でまとめる 週次レビュー を作成するようになりました。これが結構良くて、自分の知識や考え方の更新、作業進捗の把握、より洗練された作業の自動化につながりました。週次レビューの目的は次のとおりです。
- webから収集した外部情報を、週次の要約として読む
- ボイスメモやデイリーノートなどから、自分の思考を週次の要約として振り返る
- 作業進捗を把握する
- 次に手を入れると効きそうな 自動化の提案 を出す
振り返りを続けるのに最初に必要なのは、あとから読める素材が、決まった置き場所に溜まっていることです。私の環境では、次の4つを週次レビューのための情報源として、Obsidian の Vault 内に Markdown として集めています。
- 外部情報: 手動は Obsidian Web Clipper、自動は Local RSS プラグインで収集
- 日々の思考ログ: Apple Watch のボイスメモで録音し、自作プログラムで要約化
- 日々の些細なメモ: iPhone の Obsidian でデイリーノートに残す
- プロジェクト: 資料のほとんどは Mac の Obsidian で作成

これらの情報を利用した週次レビュー本体の自動生成は、毎週金曜日に自動実行されるスクリプトが、ローカルLLMを呼び出して行っています。ここで、各情報の要約や作業進捗の把握、作業の自動化の提案をしてもらっています。本稿では、その前段である 素材の作り方 に絞って紹介します。

入口1:外部情報を、WebクリップとLocal RSSで集める
外部情報は、毎回サイトを巡回しに行くより、更新が届く形と、今読んでいるページをその場で残す形を併用したほうが続きやすいです。
私の環境では、次の2つを使います。
- 手動: Obsidian Web Clipper(ブラウザから、今読んでいるページをMarkdownとして保存する)
- 自動: Obsidian の Local RSS プラグイン(購読しているサイトの更新を、Vault内のMarkdownとして取り込む)
どちらも「後で読む・週次で要約する」ための外部情報の入口です。週次レビューでは、ここに溜まった新着をそのまま全部読み直すのではなく、週次の要約として眺めることで、「今週どんな情報に触れたか」を確認します。
集め方の設計は、RSSで更新を自動収集する でも書いています。RSS側の要約の仕組みは、AIとの対話で「RSS週次要約」ツールを作った で紹介したものと基本的には同じです。
入口2:Apple Watchのボイスメモを、自作プログラムで要約する
外部情報だけでは、振り返りは半分もできません。自分の思考もログとして欲しいです。
私は 日々の思考ログ を、Apple Watch のボイスメモで録音しています。手が塞がっていても残せるので、移動中や作業の合間に向いています。ただし音声のままだと週次レビューでは読みにくいので、自作プログラムで文字起こしと短い要約(Summary)までMarkdownにしておきます。手順の一例は、日々の音声をローカルLLMで要約する にまとめています。
日々のSummaryがあると、週次レビューの時点で「今週どんなことを考えていたか」を、もう一段まとめた要約として見返せます。入口で一度要約し、週末にもう一度週次として寄せる、という二段構えです。
入口3:iPhoneのObsidianで、些細なメモを残す
デイリーノートには、録音するほどまとまってはないものの、思いつき、作業途中の一言などの些細な情報が残ります。きれいに書く必要はありません。
私は 日々の些細なメモ を、iPhone の Obsidian でデイリーノートに残しています(スマホの Obsidian は、ほぼこの用途だけです)。週次レビューの素材としては、「その日に見たもの・考えたこと・気になったこと」が残っていることのほうが大事です。後から見て意味が通る短さがあれば十分です。週末には、この断片群も週次の要約に含めます。
入口4:プロジェクト資料は、ほぼMacのObsidianで作る
原稿や講演資料、管理用のメモなど、プロジェクトの資料はほとんど Mac の Obsidian で作成しています。実際に更新されたMarkdownがあれば、それは作業が進んだ証拠になります。週次レビューでは、更新日時や差分の有無を手がかりに、作業進捗を把握します。
置き場所:形式をMarkdownに寄せて、あとで読める場所へ

素材の置き場所や形式がバラバラだと、週次レビューの時点で集め直しが発生します。
私の環境では4つの各情報を、最終的にMarkdownとして、ObsidianのVault内の指定したフォルダに置くようにしています。Markdownに寄せると、あとから人が読みやすく、必要ならAIにも渡しやすいからです。WebクリップもLocal RSSも、ボイスの要約も、iPhoneのデイリーノートも、Mac上のプロジェクト資料も、同じVault内にMarkdownで揃えます。
置き場所の名前は環境ごとに違って構いません。大事なのは次の3点です。
- 日々の入口から、同じ種類の「素材庫」に流れること
- 週次レビューのとき、その素材庫(と更新されたプロジェクト)を見に行けば足りること
- 週次レビューには、各情報の要約・作業進捗の把握・自動化の提案が入ること
私は収集用の入口フォルダを分けていますが、本稿では「素材庫」と呼びます。フォルダ名そのものは本質ではありません。
さて、これで週次レビューのための素材集めは完成です。あとは、週次レビューをしてくれる、自動実行プログラムを作れば、環境構築は完成です。
明日から試すチェックリスト
- 振り返ろうとしても材料が揃わず、改善まで手が届かない場面を、自分の言葉で1つ書く
- 週次レビューを「何のためにやるか」を1文で決める(思い出すためではなく、要約・作業進捗の把握・自動化案=改善まで寄せるかも決める)
- 外部情報の入口を決める(自動で追う源と、手動でクリップする保存先)
- 思考ログを残すなら、録音手段と要約まで含めた置き場所を決める
- 些細なメモを、デイリーノートに残す習慣を1週間だけ試す
- プロジェクトの本体は、あとから開けるファイル(できればMarkdown)を更新する
- 週次に入れない情報(機微情報など)を、素材化の段階で除外するルールを決める
次に読む(関連記事)
- RSSで更新を自動収集する:情報収集の「入口」を固定して探す時間を減らす
- 日々の音声をローカルLLMで要約する:AppleボイスメモからObsidianのMarkdownへ
- AIとの対話で「RSS週次要約」ツールを作った
免責
本記事は、筆者の作業環境に基づく一般的な情報です。個人情報保護や所属組織・取引先の規程に従って運用してください。AIや自動化ツールの出力は下書きであり、最終判断・最終責任は利用者にあります。


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